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Channel: 皇帝のいない三月
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「世の中にたえて桜のなかりせば」2022公開

苦くて辛い世界だけど、上を向いて行こう。プライベートフィルムのような切実な想いを芯に、商業映画の口あたりの良さを衣にまとわせた料理のような映画。素材の味わいを損なわない配慮の行き届いた調理で、淡く清涼な甘さを、涙の苦さがキリリと引き締めています。意図されたものでなくとも、”映画俳優・宝田明”の遺作に相応しい80分でした。©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会製作兼主演の大ベテランがこだ...

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「くちづけ」2013

批判もある映画です。曰く、泣かせようとするあざとい演技が過剰。曰く、舞台そのままで映画としての独自性がない。曰く、結末が評価できない。そもそも知的障害者を涙のネタにしていいのか、等々。でも私は、この映画を断然支持します。宅間孝行と堤幸彦の才気が、このたまらなく切ない悲劇をぬくもりあるコメディで語りきったスタンスを好ましく思います。演劇集団東京セレソンデラックスの舞台は未見、宅間孝行氏の存在にも無頓着...

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「空也上人がいた」2011

“宿命”と“運命”の違いを意識して使う人がどのくらいいるのかわからないように、“事実”と“真実”の隔たりを考えようとする人の数は決して大多数ではないように思う。そんなことに拘ることに大した意味はないだろうと仰る方も少なくないだろうし、第一そんなことに思いを巡らせていても、例えばビジネスの現場は動かない。では、そうした微妙な差異は重要でないかと言えば決してそんなことはなく、人間の生活の肝心なものはそこ...

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「天下御免」1971〜1972

日本の各家庭にテレビ受像機が本格普及したのは1960年頃から。敗戦の傷跡を乗り越えた新時代を実感させる2つの国民的イベント、皇太子御婚礼と東京オリンピックが普及の追い風でした。1970年の日本万国博覧会の頃にはカラー化が大きく進み、現在のTV番組のバリエーションは殆どできあがっていたと言えるでしょう。ちょうどその頃、TVドラマの世界で生じたコンセプトのひとつが“脱ドラマ”でした。そう呼ばれる作品群の...

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「幸福」1980

8月21日、俳優竹脇無我氏が亡くなりました。70年代のTVドラマ黄金期には清潔で知的な二枚目として活躍されていて、私たちの世代には本当になじみ深かった。奇しくも名脚本家向田邦子氏の急逝は30年前の8月22日。竹脇氏は向田ドラマの常連のひとりでもあり、人間の縁というものでしょうか。合掌。この二人が組んだ代表作のひとつが「幸福」。TBS金曜ドラマ枠で13回連続。同年に同名の短編小説としても発表されていて...

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「モールス(LET ME IN)」2010

オリジナルであるスウェーデン映画「ぼくのエリ」2008は断片的にしか見ていませんが、このハリウッドリメイク版は今年の初めから公開を心待ちにしていました。米国の興行成果が振るわなかったそうで、今を時めくクロエ・モレッツ主演ながら都内でも上映館が非常に少ない扱いです。さて、私は十分に愉しめましたし評価できる作品になっていました。「クローバーフィールド」で非凡な才能を発揮したマット・リーヴス監督の腕前が感...

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[TV]「必殺必中仕事屋稼業」1975

以前から観たいと思っていた「キック・アス」2010、予備知識をあまり仕入れず鑑賞。奇妙なバランスの面白い映画でしたが、途中から「これは“必殺シリーズ”のプロットではないか」という考えが頭の中を占有してしまいました。悶々と平凡な日常を過ごす高校生が仮面のヒーローとして身近に存在する悪と暴力に立ち向かう筋と、巨悪への復讐を宿命として背負った親子がこれまた闇の世界で闘う筋を絡み合わせたユニークなプロット。...

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「トゥルー・グリット」2010

コーエン兄弟とはどうにも波長が合わず好きになれずにいました。でも本作はお見事。腹に響くエンターティメントを魅せてくれました。アカデミー賞ノミネート10部門は伊達じゃなかった。ジョン・ウェイン主演「勇気ある追跡」1969の事実上のリメイクになる本作。ハリウッド伝統の西部劇は40年の時を経て、その娯楽性と寓話性を保持しながらジャンル映画のパターンを葬りました。商業価値と作家性が高いレベルで融合しているの...

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「二十四の瞳」1954

2.木下恵介が描いた涙...

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「世界大戦争」1961

1.松林宗恵の描いた戦災...

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「SPACE BATTLESHIP ヤマト」2010

「宇宙戦艦ヤマト」のファースト放映をリアルタイムで視聴したのは中学の時。毎週のTV放映の吸引力は当時強烈な記憶として残っています。「ヤマト」が再放映からブレイクして徳間書店の「アニメージュ」創刊を産み、今日のアニメ・サブカル文化の礎を形成するのはそこから数年以上の時間が必要でした。つまり思春期の男子にとって、当時リアルタイムのブラウン管に映る画しか存在しなかったです(家庭用ビデオ普及はもう少し後の話...

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「キングダム・見えざる敵」2007

私のように超ドメスティックな日常を過ごし、目の前の諸事ばかりに没頭していると、世界の現実に我が身を重ねることを忘れがちです。例えばサウジアラビアに生きる人々の現実を想像するなど思いもよりません。私も平和ボケした日本人のひとりと反省します。...

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「氷雪の門 樺太1945年夏」1974

終戦の年、8月15日を過ぎたにも関わらず樺太で起きた最後の地上戦。ポツダム宣言を受諾し無条件降伏をした日本ですが、8月23日頃まで他国の軍隊に領土を蹂躙され一般市民の殺戮が行われていた事実を、多くの日本人が知りません。本作は、樺太の悲劇の中でも比較的有名なエピソードである、真岡郵便局の9人の電話交換手による集団自決事件を主軸に描いた36年前の映画でした。しかも驚くべきことに、本作が本格的に劇場公開さ...

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「暗闇仕留人」1974 「必殺必中仕事屋稼業」1975

講談社から発売されている必殺DVDマガジン。レンタルに出てきづらい初期の必殺シリーズからキャラクターごとに2エピソードずつ抽出して廉価で販売。そうそうDVD-BOXなど買えませんのでこれは助かりました。お蔭で久し振りに再会できました。若き石坂浩二演ずる“糸井貢”と、演者として旬の時期にあった緒形拳演ずる“知らぬ顔の半兵衛”に、です。必殺DVDマガジン 仕事人ファイル7 糸井貢 (T☆1...

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「2001年宇宙の旅」1968

BDプレーヤーとしてPS3を利用しています。これがなかなか良い画質。レコーダー機能は不要と割り切って使ってみると、ゲーム機のユーザビリティは明らかに家電メーカーの思想と異なります。こういう微妙な実感差異って、今起きつつある変化を認識する上で結構大事だと思います。と、いうことで久々にBDで再見した本作。40年以上経過しながらここまで陳腐化しないビジュアルセンスとクオリティ。畏れ入ってしまいます。BDの...

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「小暮写真館」2010

2ヵ月も更新をサボってしまいました。忙しかったこともありますが、書きたくなるネタに意外と出会わず、ちょっと不思議なブランクでした。さて、久し振りに読んだ宮部みゆきの新刊。「小暮写真館」。小暮写眞館 (書き下ろし100冊)作者:宮部みゆき出版社/メーカー:講談社発売日: 2010/05/14メディア:単行本購入: 6人 クリック: 252回この商品を含むブログ (138件)...

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「七人の侍」1954

10代の頃、井上ひさし氏の作品はよく読みました。大人になってからは氏の主張のすべてを支持するという訳にはいかなくなりましたが、それでもエンタメとして文学として、常に高いレベルの描写を生み出し続ける力量とエネルギーには圧倒されてきました。例えば1981年に日本SF大賞を受賞した「吉里吉里人」の面白さはどうだろう。思想性の高さを面白さの話術と抱腹絶倒のギャグで紡いだ大長編。東北の寒村が独特の技術立国(医...

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「火の魚」2009

とっくに絶望してたTVドラマですが、時に鮮やかな光を放つ作品に出会うことがあります。ここ1年ほどに観た劇映画を含む国産の映像劇で、私には最良の作品でした。映画とTVドラマの差異は、もはや映像技術ではなく興行形態の違いしかないと思っています。このNHK広島制作53分の単発ドラマは、中篇映画としてシネコンにかけても十分な質感です。芸術祭大賞も当然の出来栄え。原作・シナリオ・キャスト・美術・音楽・演出、す...

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「アバター」2009

“筋立てが新しい訳ではない”といったコメントを多く見かけますが、そんなことは本作の本質ではありません。商業映画として観客がきちんと楽しみ感動を体験して劇場を後にするための定石というものは必要で、それをどれだけ新しい表現としてクリエイトするかという挑戦です。それに本気で挑み、本当に成功させた男たちの仕事を素直に讃えれば良いと思います。彼らは“新しい革袋”を普及させることで、新しい地平を拓いたのです。そ...

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「北国の帝王」1973

“男性的映画の巨匠”ロバート・アルドリッチの沢山の代表作のひとつ。長いこと“未だ観ぬ名作”として焦がれていました。リー・マービンとアーネスト・ボーグナインの二人主演。キャストだけで最高濃度。硬派この上ない映画として評判通りのアクションでした。不思議な映画です。本当にシンプルな筋立て。大抵の映画紹介に記されている要約は概ね以下の通り。大恐慌の不況が全米を覆った大失業時代。失業者たちは移動手段として無賃...

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